WEB広告の効果を評価する3つの分析手法!それぞれの特徴と効果的な使い方

広告はユーザーに情報を届けて、行動してもらうために必要不可欠なものです。

近年では、広告手法もさまざまでユーザーに出来る限り不快感を与えない広告が追求されています。

そんな中、広告の効果を計測する方法も見直されてきています。

広告施策における広告効果の計測は非常に大切です。

今回は広告計測の3つの方法をお伝えします。

目次

ラストクリックで効果を測る

ラストクリックは、昔から使われてきた広告効果の計測方法です。

広告で実現したい商品購入や会員登録といった成果の直前の広告を高く評価するという方法です。

ラストクリックのメリット

ラストクリックで広告効果を測定するメリットは、施策効果を高めやすいことです。

成果に繋がった広告や施策のみを実施すれば、理論上広告効果は高くなるんですね。

また、成果につながらない広告を早く停止することで広告費の無駄遣いを防ぐことができます。

ラストクリックのデメリット

ラストクリックで広告効果を測るデメリットは、成果につながらない広告は一切評価できないことです。

メリットの部分で触れたように、成果につながらない広告を停止することで広告費の無駄遣いは減ります。

しかし、直接成果には繋がらなくとも、ユーザーの興味をひく役割を担っていた広告まで止めてしまうこともあり得ます。

つまり、興味や認知というフェーズで大きな役割を果たしていた広告を止めてしまい、全体の広告効果が悪化してしまう可能性があるんです。

そこで生まれたのがアトリビューションです。

アトリビューションという概念の誕生

ラストクリック計測から、広告施策全体で評価しようという考えの元で生まれたのがアトリビューションという分析方法です。

アトリビューションは、ユーザーの動線を分析して、成果に繋がった広告それぞれを評価する方法です。

アトリビューションの計測の考え方

例えば、広告Aを見て商品を知り、広告Bで商品を思い出し、広告Cで商品を購入したとします。

この場合、ラストクリック計測なら広告Cが100%評価されますよね。

しかし、アトリビューション分析を使って評価すれば、広告Aは30%、広告Bは20%、広告Cは50%といった形で評価を分け合います。

広告施策全体で、どの広告がどのフェーズに効果的かを計測することができます。

アトリビューション分析の弱点

アトリビューション分析の弱点は、全ての成果を機械的に割り振ってしまうことです。

本来であれば、広告を経由しなくても購入や会員登録といった成果に繋がったはずのユーザーも広告経由の成果とするのは違和感がありますよね。

どうすればより正確に広告効果を計測することができるのかという研究によって、インクリメンタリティという計測が提唱されはじめました。

インクリメンタリティでの分析

インクリメンタリティは、最新の広告効果の分析方法です。

インクリメンタリティの計測の考え方

インクリメンタリティの計測は少し複雑で、まずユーザーを広告に接触したグループと広告に接触しなかったグループの2つに分けます。

そして、広告に接触したグループの成果と広告に接触しなかったグループの成果の差が広告によって生み出された成果数として捉えるんですね。

インクリメンタリティの計測法

広告に接触したグループの効果が100件、広告に接触しなかったグループの効果が70件とします。

すると、広告に接触しているユーザーの中でも70件は広告がなくても成果に繋がっただろうと推測できますよね。

つまり、広告による純増した成果は30件と考えられます。

仮に、広告費が100万円だとして、100件の獲得だと従来の分析なら1件当たりの広告費(CPA)は10,000円になります。

しかし、インクリメンタリティの概念で考えると100万円の広告費で30件の獲得なので、実際の1件当たりの広告費は33,333円となり、3倍以上のコストを支払っていることになります。

本来広告がなくても購入したユーザーにわざわざ広告を表示しているせいで過剰な投資となり、広告費も悪化しているんですね。

無駄な広告費を削減して、広告の費用対効果を更に高められるので、注目を集めています。

インクリメンタリティのメリット

インクリメンタリティのメリットは、広告効果をかなり正確に計測できることです。

ユーザーを広告接触・非接触グループに分けて差分を実際の効果とするので広告による成果が見えやすいんですね。

インクリメンタリティのデメリット

インクリメンタリティのデメリットは、測定するための準備が非常に面倒なことです。

まず、ユーザーをグループ分けするのですが、「20代の男性」と「40代の女性」などグループ自体で大きな違い作ってしまうと成果にも差が現れやすくなりますよね。

グループ分けは出来る限り同じ属性のユーザーを均等に分ける必要があります。

また、広告接触グループと非接触グループの成果を突き合わせて、差分をチェックして、純増分を導いた後に広告効果を計測しないといけません。

事業フェーズごとのおすすめ計測方法

代表的な3つの広告効果の測定方法をお伝えしましたが、実際に自分たちのビジネスにはどれを使えば良いかと悩んでしまいますよね。

事業フェーズごとに、どんな計測方法を取るのがおすすめかお伝えします。

事業立ち上げ時はラストクリック計測でキラーコンテンツを見つける

事業を立ち上げた時には、まず成果につながるコンテンツを見つけることが重要です。

成果につながるLPやバナーなどの広告クリエイティブをキラーコンテンツと呼びます。

LPにヒートマップを入れてユーザーの動きをチェックしたり、バナーのテキストや画像をABテストで試して、成果に繋がる要素を見つけてクリエイティブに反映させてキラーコンテンツを作っていきましょう。

拡大フェーズでアトリビューション分析を有効活用

キラーコンテンツが出来てくると、次は施策を拡大させていくフェーズです。

ユーザーがどんな経路で自分たちの商品やサービスに触れて、キラーコンテンツに流入して成果に繋がっているのかをアトリビューション分析していきましょう。

初回接触、比較・検討、購入前とそれぞれのタイミングでどの広告が向いているかを掴むことが出来れば、勝ちパターンが見つかりますよね。

勝ちパターンを通じてキラーコンテンツへ流入させられれば、スムーズに効率よく成果に繋げられます。

成熟フェーズでは施策結果をインクリメンタリティで測定

事業が成熟したフェーズでは、ある程度さまざまな施策を実施している状態だと考えられます。

すると、実施する施策のシミュレーションはかなり精度が高くなってくるんですね。

一見問題なさそうですが、インクリメンタリティで分析すると更に高いレベルで施策の分析を行うことができます。

施策を実施したあとの振り返りの精度を高めることで、予算やリソース配分の最適化を進めていきましょう。

それぞれの計測方法のまとめ

広告の計測方法は、正しく取らないと広告の評価自体がずれてしまう繊細なものです。

フェーズごとに、どういった広告の測定方法を使えば広告評価をしっかりと出来るかを検討するように意識しましょう。

ラストクリックのまとめ

ラストクリックでの測定は、古くから使われていて、どの広告が会員登録や商品購入といった成果に直結しているかを見つけ出しやすい測定方法です。

一方で、成果以外に広告が持つ認知獲得という部分は測定できません。

ラストクリックでの測定は、事業立ち上げ時など、成果につながるものを見つけ出したい時に活用するのがおすすめです。

アトリビューション分析のまとめ

アトリビューション分析で広告を評価すると、どのような経路でユーザーが成果に至ったがわかるので、認知に貢献している広告、二次接触に貢献している広告、成果につながる広告と評価することができます。

アトリビューション分析をかけることは、事業を拡大させていくときに有効で、広告出稿や施策の強み・弱みが把握できます。

つまり、広告費はもちろん対策を打つべき部分にリソースを割くことができるんですね。

事業を拡大していくフェーズでは、伸びる部分へリソースを注力していくことが重要なので、アトリビューション分析を活用していきましょう。

インクリメンタリティを用いた測定方法のまとめ

インクリメンタリティは、広告接触グループと広告非接触グループの差分を計測して分析することで、広告施策による純粋な効果を計測することができます。

事業が成熟してくると、さまざまな施策のシミュレーション精度も上がってきます。

なので、分析も精度の高さが求められます。

インクリメンタリティを使うことで、アトリビューションよりも広告施策の純粋な効果を測定できるので、よりリソースの最適化を進められます。

事業の成長とともに分析方法もアップデートしていくことで、無駄なリソース投下が減るのでスムーズに拡大を進められます。

最後に

広告測定が必要な理由は、広告効果を知るためです。

無形商材である広告が、どんな影響を及ぼしたのかをチェックすることで、施策の振り返りができます。

まずは広告から成果を上げられる勝ちパターンを見つけ、そこからさらに高度な分析へと発展させ、ビジネスを拡大していきましょう。

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