日本における全ての企業のうち、99.7%は中小企業であると言われています。
そのように、中小企業の数が圧倒的に多いにも関わらず、ウェブマーケティングに本格的に取り組んで成果を上げている企業は、大企業ばかりだと感じないでしょうか?
もちろん、ウェブマーケティングに取り組んで成功している中小企業もたくさんあります。
しかし、多くの中小企業では
「大企業のようにコンテンツを充実させたり、広告を掲載する余裕は自社にはない」
「どうせ資本も社員数も少ない中小企業では、大企業には勝てない」
といったことを考えて、ウェブマーケティングに後ろ向きになっているのではないかと思います。
世間一般で広まっているウェブマーケティングの手法は大企業向けのものが多く、それに従っているだけでは中小企業が大企業に勝つことは難しいかもしれません。
しかし、ポイントを押さえれば、ウェブマーケティングで成果を上げることが必ずできます。
本記事では、中小企業の方向けに、
- SEO
- ウェブ広告
- SNS運用
という3つの視点からウェブマーケティング戦略を解説していきます。ぜひ、本記事の内容を参考にしてウェブマーケティングに取り組んでみていただきたいです
SEOでの中小企業の戦略
SEOは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略称であり、GoogleやYahoo!などの検索サイトで特定のキーワードを入力して検索を実施した際に、検索結果画面の上位にウェブサイトを表示させるための施策のことを指します。
SEOは上位表示されなければ意味がない
検索をしたユーザーのほとんどは、検索結果の1ページ目しか見ないと言われています。つまり、SEOによって上位表示させなければユーザーにウェブサイトを見てもらうことすらできず、機会損失が発生してしまうということです。
SEOの基本は、キーワードを選定してそのキーワードで検索をするユーザーが持つ疑問や課題を解決できる良質なコンテンツを自社ウェブサイト上に掲載することです。
ユーザーが満足する良質なコンテンツを掲載すれば、ユーザーや検索エンジンから評価されて上位表示されるようになります。
SEOはウェブマーケティングにおいて非常に重要ですが、SEOで成果を上げるにはどうすればよいかを紹介していきます。
上位を狙えるキーワードを探す
SEOにおいては、自分のウェブサイトのコンテンツによって上位表示が狙えそうなキーワードを選定することが重要となっています。
大企業などの強い競合が多く、上位表示を狙うのが困難なキーワードを避けるなど、「勝てない戦いを挑まない」というのを意識しましょう。
ビッグワードは狙わない
例えば、東京都でホームページ制作を請け負う中小企業が、「東京都 ホームページ制作」という検索キーワードでの上位表示を狙ったとしましょう。
このキーワードは検索ボリュームが非常に多く、上位表示できればウェブサイトへの集客が増えることは間違いありません。
しかし、検索結果を見てみると、大手メディアによる比較記事や大手企業によるコンテンツが数多く表示されており、このキーワードで上位表示を狙うことは困難だと考えられます。
キーワードを掛け合わせた複合語で勝負する
「東京都 渋谷区 ホームページ制作」や「東京都 ホームページ制作 飲食店」といった2~3語の掛け合わせをしたキーワードを狙うとどうでしょうか。
これらのキーワードは、先ほどの「東京都 ホームページ制作」よりは検索ボリュームは少なくなりますが、競合記事も減るため上位表示が狙える確率は高くなります。
キーワードが「東京都 渋谷区 ホームページ制作」の場合を例にすると、ユーザーの意図は「渋谷区でホームページ制作ができる企業を知りたい」ということだと考えられます。
自社が渋谷区にあれば、ユーザーが知りたい情報を提供できる可能性が高く、また、このユーザーは自社のターゲット顧客に成り得るため、SEOで上位表示ができれば、仕事に繋がる可能性が高いです。
自社の特徴や強みにあったニッチなキーワードを選定する
中小企業は、検索ボリュームが大きいキーワード(ビッグワード)での上位表示を狙うよりも、自社の特徴や強みにあったニッチなキーワードを狙ってSEOを行う方が効率が良く、成果を上げやすくなります。
戦略的にキーワード選定をすることを意識しましょう。
コンテンツは情報の深さで勝負する
SEOにおいてはコンテンツの質・量ともに重要になりますが、中小企業は大企業のようにビジネスの範囲が広くない傾向にあるため、どんなコンテンツを作れば良いのかは悩むところでしょう。
そこでポイントになるのは、情報の深さで勝負するという考え方です。
1つのコンテンツの中身を詳しく掘り下げたり、作成したコンテンツに関連するものを作って広げていくなどして、1つ1つのテーマあたりの情報量が豊富なウェブサイトを目指してみてください。
また、あえて競合企業の商品・サービスについての情報も含めたコンテンツにするのもおすすめです。
ユーザーの目線で考えると、自社に関することだけを書いているコンテンツよりも、競合情報も含めて総合的に情報提供してくれるコンテンツの方が信頼できますし、情報量も多くなって満足度が高くなります。
ウェブ広告での中小企業の戦略
ウェブ広告は「インターネット上の広告」の総称であり、近年では、広告の主流だったテレビ広告をも上回る広告費がウェブ広告にかけられるようになりました。
今後もインターネットの普及に伴ってウェブ広告がますます増加することが予想されており、ウェブ広告を活用するノウハウを持つ企業がウェブマーケティングにおいて有利になることは間違いないでしょう。
広告費がかかることから、資本力のある大企業向きの施策だと考えている中小企業の方は多いかもしれません。
しかし、テレビCMなどとは異なり、ウェブ広告は少額からでも始めることができるため、正しく運用すれば効率よく成果を上げることができます。
リスティング広告での戦い方
リスティング広告は、検索連動型広告とも言われるウェブ広告です。
検索結果画面に表示される有料の広告のことであり、ユーザーが検索したキーワードの内容に関連した広告を、検索結果画面の上部に表示させることができます。
同じく検索に焦点を当てたウェブマーケティングの施策としては、上述したSEOがありますが、上位表示されるのに少なくとも数ヶ月かかるSEOとは異なり、リスティング広告は、申し込みをすればすぐに広告が掲載されてユーザーにアプローチできる即効性が特徴となっています。
リスティング広告の費用感
リスティングの費用は、掲載された広告がクリックされた回数に応じて課金される「クリック課金型」が主流となっており、広告費は広告主側が自由に設定可能です。
毎月の広告費の上限も設定できるため、広告費をあまりかけられない中小企業でも取り組みやすいウェブ広告であると考えられます。
リスティング広告もニッチなキーワードを狙う
リスティング広告でニッチなキーワードを狙うことをおすすめします。
リスティング広告でも、SEOと同じようにビッグワードを狙うと大企業と競合してしまう可能性が高くなります。
検索エンジンが広告の掲載順位を決める際の判断材料には、広告単価も含まれているため、ビッグワードで資本力に勝る大企業と戦うのは避けた方が無難です。
自社の特徴や強みと合致したニッチなキーワードを狙って広告を掲載した方が効率的だと言えるでしょう。
リターゲティング広告を活用する
過去に自社のウェブサイトに訪れたことのあるユーザーに対して広告を配信するリターゲティング広告というウェブ広告があります。
過去に自社のウェブサイトに訪れたことがあるということは、自社の商品やサービスに何らかの興味があったユーザーであると言えます。
そういった見込み顧客に対してピンポイントでアプローチのできるリターゲティング広告は、費用対効果の高いウェブ広告の1つです。
少ないリソースを効果的に投資する
高額な広告費用を捻出しにくい中小企業にとっては、少ないリソースを効果的に投入していくことが重要となります。
その観点からすると、関係のないユーザーにも無差別に配信する広告ではなく、見込み顧客に的を絞って配信できるリターゲティング広告は、利用する価値のあるウェブ広告となっています。
SNS運用での中小企業の戦略
SNSの普及に伴い、ウェブマーケティングの施策としてSNS運用をすることは一般的となりました。しかし、ほとんどの大企業が何らかのSNSでアカウントを持ってSNS運用をしているのに対し、中小企業ではあまり取り組めていないように思います。
実は、SNS運用は大企業に比べて資本や人員が限られている中小企業にこそ適したウェブマーケティング施策です。ここでは、中小企業がSNS運用をするときの考え方について紹介します。
SNSを広告として活用する
SNSは基本的に無料で利用することができます。テレビCMや新聞広告などのマスメディアでの広告や、上述したリスティング広告などのウェブ広告では少なからず広告費用がかかりますが、SNSで自社や自社製品についてどれだけ発信しても費用はかからないため、SNSを広告手段として活用することをおすすめします。
SNSは情報の拡散性が非常に高いので費用対効果も高く、上手く運用できれば広告費をかけることなく十分な宣伝効果を得ることができるでしょう。
お役立ちコンテンツやシェアされやすいコンテンツを発信する
SNSでも、すでに多くの人に知られている大企業が有利だと考えている人が多いと思いますが、決してそうとは限りません。
SNSでフォロワーが多かったり、シェアされやすいのは、それを見たユーザーが役に立ったと感じて人に教えたいと思うコンテンツや、他の人に共有したいと感じるような魅力的なコンテンツです。
大企業のSNSアカウントであっても、単なるお知らせや商品画像をそのまま投稿しているだけでは成功していないということからも、それは明らかだと思います。
普段見ることのできない工場での製造工程を撮った動画を投稿したり、商品写真を掲載するだけでなく商品開発に込めた思いや職人さんのコメントを添えるなど、発信内容に一工夫加えた中小企業のSNSアカウントが人気になり、ファンが増加したという実例もあります。
コンテンツ次第で勝てるのがSNSであると言えます。
中小企業でもウェブマーケティングで成功できる
本記事では、中小企業がウェブマーケティングで成果をあげる方法ということで、SEO・ウェブ広告・SNS運用という3つの視点から解説をしてきました。
ウェブマーケティングは、資金が多かったり、人数が多ければ絶対に勝てるというものではありません。ポイントを抑えて工夫をすればウェブマーケティングで必ず成果は出せます!
これからの時代は、ウェブマーケティングに強い企業がビジネスチャンスを得て活躍する時代となっていきます。
中小企業だから、人がいないから、知識がないからということを理由にせずに、ウェブマーケティングに取り組んでみてください。
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