動画広告は、その名の通り動画を用いた広告です。
最近では動画投稿サイトや、バナーでも動画が利用されてどんどんマーケットが拡大しています。
では、なぜ動画広告が増えてきているのでしょうか?
今回は、動画広告の現状や人気の理由、メリットやデメリットに加えて今後の展望までまとめてお伝えしますね。
ぜひ、ご参考になさってください。
動画広告の現状
動画広告は、2014年には約200億円規模のマーケットでしたが、2019年には約2600億円規模と13倍にも及ぶ成長が見られます。
ちなみに、同じく2014年はインターネット広告全体は約1兆500億円で2019年は2兆1,000億円です。
インターネット広告市場全体も大きく伸びていますが、動画広告の占める割合は2014年の1.9%から2019年の12.3%と6.5倍も伸長してるんです。
逆に、TVや新聞、雑誌、ラジオといったいわゆるマス広告は軒並み落ち込んでいます。
理由として、今やスマホやタブレットも浸透しきっているので、幅広く一律に情報を届けるマスメディアよりも、個人に合わせた広告を届けることができるインターネット広告に予算が割り振られるようになっていることが考えられるんですね。
その中でも、特に伸びを見せているのが動画広告です。
動画広告はなぜ増えている
動画広告は、どうして人気の広告メニューになったのでしょうか?
人気の理由は主に2つ挙げられます。
個人で動画を見るのが当たり前になった
まず1つ目は、ユーザー側が動画を見ることに慣れたという点が挙げられます。
YouTubeやTiktokなどのプラットフォームが日常に浸透して、「動画を見る」という行為自体が当たり前のことになったんですね。
ユーザーが毎日の生活で動画を見ることになれば、情報を届けたい時は動画広告を利用するのがスムーズですよね。
動画はリッチな表現が可能だから
2つ目は、動画ならではのリッチな表現が可能な点です。
例えば、車の広告を出稿すると考えてみてください。
通常の広告であれば、車に乗った時の加速感は表現しづらいですよね。
しかし、動画広告であれば、まるでユーザー自身が運転しているようなクリエイティブも作ることができます。
つまり、一般的な広告に比べて「体験」に近いリッチな表現ができるんですね。
広告の目的である商品の認知獲得や、販促のどちらの面でも体験に近いのでユーザーのモチベーションをしっかり高めてくれます。
動画広告の代表的なプラットフォーム
動画広告の代表的なプラットフォームは2つあります。
それぞれ特徴があるので、チェックしていきましょう。
YouTube特徴と出稿できる広告
YouTubeは、動画配信サイトとして世界最大級の規模を誇ります。
コンテンツも豊富で、動画の長さもさまざまなので自分の求めている情報の選択肢が多いことが特徴です。
また、YouTubeは世界最大の検索サービスを持つGoogleの傘下の企業です。
出稿できる広告
Googleの広告システムを利用して広告配信ができるので、動画広告の配信プラットフォームとしても優秀です。
- 動画の再生前後や再生中に配信される「True View インストリーム広告」
- 視聴後にアクションを促す「True View アクション広告」
- 6秒以内の短い動画で視聴完了率が高い「バンパー広告」
など、目的に応じた広告メニューがあります。
老若男女問わず幅広いユーザー層を抱えているので、動画広告を実施する際には外せない媒体ですよね。
Google広告と同じように、商品やサービスと親和性が高いセグメントを狙って配信することも可能なので勝ちパターンを見つけると非常に有利です。
Tiktokの強みと広告の種類
Tiktokは中国発の短時間動画配信SNSです。
最大でも15秒の長さの動画で、編集もアプリ内で対応できるので、ユーザーによって投稿された動画がどんどん追加されています。
10代・20代への影響力は非常に高く、トレンドを生み出す媒体としても注目されています。
出稿できる広告
広告メニューとしては、
- アプリ起動時に全画面を専有する「起動画面広告」
- タレントや有名人とコンテンツを作って配信する「タイアップ広告」
- おすすめ投稿で全画面表示できる「インフィード広告」
と広告本来の情報を届けるという点に注目したメニューが多いのが特徴です。
また、リンク箇所が多くクリックを促すポイントを複数設定できます。
ユーザーに情報を強く訴求して、その後のアクションを促すことができるんですね。
次は、動画広告のメリットとデメリットをチェックしましょう。
動画広告のメリット
リッチな表現ができる
動画広告は、何よりリッチな表現ができる点がメリットです。
- 車であればスピード感、
- システムなら利用しているシチュエーション、
- 旅行なら旅先の風景
など、通常の広告では訴求しづらい「体験」に近いクリエイティブ表現が可能なので、ユーザーに強い印象を与えられます。
親和性の高いユーザーに届く
基本的に動画広告はコンテンツを閲覧する前後に表示されます。
つまり、ユーザーはコンテンツを見るために広告で情報に触れることが前提となるんですね。
しっかりセグメントすることで、商品やサービスと親和性が高いユーザーに情報を届けることができます。
動画広告のデメリット
クリエイティブ制作に時間やリソースがかかる点です。
通常のバナー広告であれば、タイトルと広告文、画像といった組み合わせ素材があれば簡単に作ることができます。
しかし、動画広告は動画素材が必要です。
撮影をして、テキストや音楽を付けて、余計な部分をカットするなど編集作業を行ってから入稿作業をするんですね。
バナー制作であれば即日で3万円程度で請け負う会社がほとんどですが、動画クリエイティブは数日で10万円~が相場となります。
時間もコストもかかってくるので、実施するハードルは高く感じることが動画広告のデメリットなんですね。
広告難易度が高い
動画広告は動画コンテンツを見たいユーザーに対して表示されるので、親和性がなければ「鬱陶しさ」を感じさせてしまいます。
ユーザーにとって面白みを感じたり、ためになると感じさせる広告クリエイティブで無ければ、ブランドイメージが悪化する可能性もあります。
しかし、ここ数年の市場の伸びやクリエイティブで表現できる幅を考えるとトライするにふさわしい広告メニューであることは間違いありません。
動画広告の注意すべきポイント
動画広告を実施する上で注意すべきポイントは、コンテンツとしての面白さとユーザーセグメントです。
コンテンツに面白さも必要
動画プラットフォームで動画を見るユーザーは、そもそもコンテンツとしての面白さを求めて能動的にアクションしています。
動画広告は、コンテンツとしてユーザーが楽しめる動画クリエイティブである必要があるんですね。
もし、クリエイティブとして面白みがなければ、開始してすぐにスキップされたり、バンパー広告で6秒程度の動画はユーザーの印象にほとんど残りませんし、最悪の場合だとブランドイメージ悪化に繋がります。
ユーザーセグメントを明確にする
ユーザーセグメントはコンテンツの面白さと同様しっかり考える必要があります。
どんな広告にも言えることですが、ユーザーが自分ごととして捉えないと広告に接触してもアクションは見込めません。
特に動画広告は、良くも悪くもリッチな表現が特徴なので、親和性がないと目についてうざったく感じてしまうんですね。
他の広告に比べて、クリエイティブ制作にリソースがかかるのでユーザーセグメントをきっちり組んで自分ごとと捉えてもらい、効果を出せるように意識しましょう。
動画広告の今後の展望
マーケットは成長していく
動画広告は、2014年約200億円から2019年には約2600億円と大きく成長しているマーケットです。
動画広告を配信できる広告ネットワークも増えているので、引き続き大きく伸びていくことが予想されます。
また、合わせて動画クリエイティブの制作が簡単になっていることも成長を後押しするポイントです。
スマホアプリでも動画のクリエイティブを簡単に作られるようになっているので、以前と比べてABテストがしやすくなり、効果の高いクリエイティブを探すスピードも早くなりました。
5G時代の到来
インターネット環境では5Gというネットワークが今後標準化されます。
5Gネットワークは、情報容量は大きくなり、遅延がほとんどなくなり、同時に多数接続できるという特徴があります。
つまり、5Gネットワークが浸透すれば今まで以上にリッチな表現が当たり前になってくるということです。
動画広告の勝ちパターンを見つけておくことは、今後のプロモーションを考える上でも非常に重要なポイントになると考えられるんですね。
動画広告についてのまとめ
動画広告のマーケットは、2014年から2019年の5年間で約13倍の伸長をしたように、今後ますます勢いを増して拡大することが予想されます。
これまでは記事やサイトを見ていた時間を動画閲覧に充てているユーザーが増えています。
YouTubeやTiktokに代表される動画プラットフォームは、デイリーのアクティブユーザーも非常に多く、広告の持つ「情報を届ける」という目的を叶えられる媒体となっているんですね。
更に、今後は5Gネットワークが実装されていきます。
動画広告は、広告としてこれから主流になることが想定される有力な広告です。
マーケットの拡大についていけるよう、しっかりと自分たちのビジネスにどんな動画広告が向いているかをチェックしてくださいね。