CRM(カスタマーリレーションマネジメント)をという言葉をご存じでしょうか?CRMとは、顧客との関係を維持しながら売上向上を図る施策を指します。
どれだけ新規顧客を獲得しても、CRMが弱ければ安定した利益を確保できません。
逆に新規顧客数が少なくても、CRMがうまく稼働してくれれば利益をどんどんストックすることができます。
そこで本記事ではBtoB、BtoC問わず重要なポイントであるCRMについて、活用すべき理由やスムーズに稼働するための土台、また弱点などをまとめてお伝えします。
CRMのはじまりとは
CRM(カスタマーリレーションマネジメント)の歴史は1990年代前半からと言われています。
いわゆるIT革命が起こり、営業活動の効率化にもWEBが活用された時期です。
しかしCRM以前に、顧客を管理するのは商売上必要なこととして当たり前に実施されていました。
しかしあくまで属人的な管理だったので、継続して注文をもらうノウハウやフォロー方法などは本人しか知らないといったこともよく起こっていたのです。
つまりCRMは属人化を防いで顧客の情報を企業としてスムーズに活用することで、利益の最大化を図れるようにしていく仕組みとなっています。
CRMが重要な理由
CRM(カスタマーリレーションマネジメント)の考え方は理解していても、新規顧客開拓に力を入れるという方針の企業も多いでしょう。
しかしそもそも獲得したユーザーへ自分たちの商品やサービスをリピートしてもらえるような仕組みを作らないと、底に穴が空いたバケツで水を汲み続けるようなもの。
「新規顧客を獲得してもリピートに繋がらず利益にならないので、更に新規顧客を獲得する。うまく獲得できても、そもそもリピートに繋げられないので、また新規獲得し続ける…。」
このように現場も疲弊したり、離職率が高くなったりするなどマイナスの影響が現れます。
逆にCRMを活用し高いリピート率をキープできていれば、売上の予測も立ちやすいですよね。
売上予測が立っていれば、たとえば広告費を投下して新規顧客へアプローチしてみるといった方法も実施できます。
CRMを活用することができれば安定した利益確保はもちろん、営業のしやすさにも繋がります。
CRMをスムーズに行うためのポイントとは
CRM(カスタマーリレーションマネジメント)をスムーズに行ううえで、欠かせないポイントは顧客データが正しいこと。
顧客データが正しくなければどれだけ素晴らしいCRMを組んでいても、正確に活用することができません。
たとえばAという顧客が自分たちのサービスを導入してくれた、と考えてください。
このとき、Aのカテゴリは「見込み顧客」から「利用ユーザー」に変わります。
すると対応は、実際の活用事例などをメインに「導入したらどんな風に活用できるか」というイメージから「どうやって具体的に活用するのか」という具体的な方法論を伝える方向に変わります。
さらにどのような商談が行われて導入に至ったのかなどが正しくデータとして残っていれば、仮に担当が変わっても背景を理解したうえで顧客対応ができます。
システムだけ入れて解決するのではなく、営業や顧客サポートの現場の協力が必要となるのです。
CRM導入のメリット
CRM導入のメリットは、以下の2つがあります。
- 効率よく顧客をフォローできる
- CRMで営業マンの時間も無駄にしない
ここからは上記のメリットを、詳しく解説していきます。
効率よく顧客をフォローできる
CRM(カスタマーリレーションマネジメント)を導入する1つ目のメリットは、効率よく顧客をフォローできること。
購入してくれたユーザーの情報をもとに、それぞれの状況に応じたフォローを実行していきます。
これはユーザーからすると、必要なフォローが必要なタイミングで得られるので満足度が高くなりますよね。
フォローする側から見ると基本的な内容はシステムで自動的に送り、営業や顧客サポート担当の現場で対応しないといけない案件に極力注力するといった切り分けができます。
つまりシステムと人の対応で、ユーザーの満足度を高めて継続利用やさらなる受注を見込めるようになるということです。
CRMで営業マンの時間も無駄にしない
CRM(カスタマーリレーションマネジメント)を導入する2つ目のメリットは、営業マンの時間も無駄にしないこと。
CRMを活用していない状態だと、営業マンの時間を無駄にしてしまう可能性もあります。
たとえば新規顧客に対して営業活動を行っていく場合、初回ヒアリング、提案、受注と少なくとも3つのプロセスを踏む必要があります。
それぞれ1時間としても最低でも3時間は営業マンのリソースを割かないといけません。
せっかく時間を使って、やっと獲得した新規顧客に対してもフォローをしなければ離脱されてしまいますよね。
しかし導入後のフォローは、ユーザーの状況や担当者のレベル、商品やサービスのスペックなどの要素が絡まるので、さまざまなパターンが起こります。
顧客を獲得すればするほど、フォローのためのリソースが増えて現場が疲弊したり、サポート不足と感じたユーザーが離れてしまったりという状況になってしまうのです。
ただCRMを活用すれば、リソースを抑えながら顧客フォローを仕組み化することができます。
さらにユーザー側での活用フェーズごとに気をつけるポイントなどを導入日から30日ごとに送るといった施策も実施可能です。
そのうえで、どうしても対応が必要な複雑な問題だけにリソースを割くといった判断もできます。
せっかく時間をきて獲得した新規ユーザーとの接点をしっかりと維持したうえで、重要なポイントだけに注力できるのです。
CRMのデメリット
CRM導入のデメリットは、以下の2つがあります。
- 運用方針は人間によって決めていく必要がある
- CRMは万能ではない
ここからは上記のデメリットを、詳しく解説していきます
運用方針は人間によって決めていく必要がある
CRM(カスタマーリレーションマネジメント)を導入する1つ目のデメリットは、運用方針は人間によって決めていく必要があること。
CRMは顧客フォローをシステムやツールによる自動化できる反面、運用方針は人間によって決めていく必要があります。
そのため適当に対応内容を決めてしまうとユーザーの満足度が下がり、離脱や新たな受注が見込めないといったことも考えられるのです。
せっかくユーザーの満足度アップと自社のリソース抑制を叶えようとしていても、ユーザーを失ってしまうと意味がありません。
また運用していくにあたって、当初の想定ではツールで対応できると考えていたポイントもうまくいかないことも。
現場やユーザーの状況を見て、こまめに運用改善を繰り返していく必要があります。
すべての案件を担当営業や顧客サポート担当が解決するよりも、圧倒的に効率がよいことは間違いありません。
CRMは万能ではない
CRM(カスタマーリレーションマネジメント)を導入する2つ目のデメリットは、万能ではないこと。
運用は現場での改善が欠かせないため「CRMのツールを入れたから顧客フォローが楽になる」というのは、微妙にちがいます。
つまりCRMを取り入れるのはあくまでスタートラインであるということです。
メリットとデメリットを比較して、自分たちのビジネスに落とし込んでみてくださいね。
CRMのまとめ
CRM(カスタマーリレーションマネジメント)は、1990年代前半から提唱された営業フローです。
それぞれの顧客情報は営業マンが覚えていたり、出荷や売上伝票を見て把握したりすることが従来の方法でした。
しかし属人化してしまうことで営業マンや顧客サポート担当への負担が大きくなってしまったり、人によって違う対応レベルでユーザーの満足度が変わってしまったりしていたのです。
そこで顧客情報を管理しつつ必要なタイミングで適切なフォローをする、CRMの仕組みが役にたちます。
さらに商品やサービスを提供する側も基本の内容はシステムで対応して、複雑で高度な内容に対してリソースを割くといった効率的なフォローも可能です。
つまりCRMを活用すれば、ユーザー・提供側ともにWin-winの関係になれます。
自分たちのビジネスで重要なポイントである顧客フォローの部分をどう進めていけばよいかと悩んでいるのであれば、ぜひCRMの活用をご検討ください。